「今後は社会貢献へ」地元野菜を活かしたイタリアンレストランの新たな挑戦
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2000年設立の有限会社ヒューマンアンドコミュニケーション。地産地消レストランとして越谷の人に愛されるお店へと成長を遂げる。
野菜の宝庫である埼玉県で地産地消のイタリアンレストランをオープン
「地元の食材を活かす」というコンセプトのもと2000年に越谷でイタリアンレストラン「カポナータ」をオープンしたシェフの鈴木実氏。農協や農家からおいしい野菜を紹介され、30軒以上の農家と提携し、農作業も手伝いながら農家との交流を深めていった。埼玉県が野菜の宝庫であることに気づいた鈴木氏は、地元で取れた食材をもっと気軽に地元の人たちに食べてもらいたいと、フランス料理から当時ブームであったイタリア料理に方向転換。現在では越谷に根差し、地産地消レストランとして、地元の人たちに愛される代表的なお店へと成長を遂げた。
いちごの余剰から生まれた、かけジャム
今ではカポナータの代表作といえる『かけジャム』だが、開発のきっかけは地元いちご農家が抱えるいちごの余剰だった。作り始めは余剰対策だったが、次第に越谷市内で認められ、市場でのヒットへと繋がった。「かけジャム」は完全無添加のため、子どもから大人まで安心して食べられる商品として、今では多くの人に愛されている。
そして鈴木氏は、ジャム製造で生まれた利益をさらに他の商品開発へ投入し、地域への還元をしている。
農福連携(※)への新たな挑戦
「かけジャム」の大ヒットにともない、その製造が追いつかなくなる課題が生じ、鈴木氏は地元の農福連携に挑戦。ラベル貼りの作業からスタートし、1年を掛けて盤石の協力体制を築くことに成功した。収穫から製品完成までのプロセスには約5時間掛かるが、障害者たちがこの作業を一貫して行い、将来的には彼らが「かけジャム」の販売まで担うことが今後の目標と鈴木氏は話す。積極的にフードロスや福祉の問題に取り組み、商品の背景にある価値やストーリーをもっと理解してもらい、未来へポジティブな影響を与えたいという鈴木氏の想いは、おいしい「かけジャム」だけに留まらず、地域社会にも豊かさをもたらしている。
※農福連携とは、障害者等の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取組
20年の経験から新たなステージへ
20年間に渡りレストラン経営をしてきた鈴木氏だが、今後は新しい世代に舞台を譲るべきとし、一線から退くと話す。社会貢献に焦点を当て、加工品やフードロス問題に取り組む想いを明かす。これからは若い世代を支えながら、地域や社会全体に貢献することで、より良い未来を築くために力を注ぎたいと今後の展望をのぞかせた。鈴木氏の挑戦はこれからも続いていく。
概要
有限会社ヒューマンアンドコミュニケーション
〒343-0023 埼玉県越谷市東越谷6-24-3
店舗名「地場野菜イタリアン・カポナータ」
〒343-0023 埼玉県越谷市東越谷6-122-3
TEL 048-967-0077