「生かされた命で世の中のためになりたい」 車用品や安全装置を開発製造

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1987(昭和62)年に創業した自動車用品や安全装置を開発製造、販売する株式会社明和。藤森正信さんが社長を務める。

「世の中のためになりたい」幼少期の事故を生き延び決意

社長の藤森正信さんは3歳のときにひどい交通事故に遭った。今でも後遺症が残り、子どもの頃は傷痕が残る手を人に見られるのが嫌だったという。藤森さんは「父から『生きることができたのだから何か役割があるのではないか』と言われていた。死んでいたかもしれない命。何があっても怖くないし、世の中のためになることをやりたいという思いがある」と話す。 

28歳でタイヤ販売店を創業

「人を救って世の中ためになりたいと言っても、事業を起こすにはお金が必要。働いて資金を貯め、まずは28歳でタイヤ店を開いた」と藤森さん。4WDの部品の卸売り販売も始め、より良い部品を販売したいと、自社で企画、製造、販売まで手がけるようになった。その後はオフロード車の駆動性を高める改造をしたり、車のチューニングメーカーと共同で車の最高速度を上げる開発をしたりした。改造車については、改造の認可手続きの方法を業界に広めることにも尽力した。

残業せず業務時間内で効率的に働く

従業員は7人。時間内にいかに効率的に仕事ができるか考えて取り組むことで、残業はないという。藤森さんは「儲けるための残業はしない。どうしたら商品や自分たちの価値を高められるのか考えて働くことで、きちんと利益が出ている」と話す。また1カ月に1度個人面談を行い、従業員一人一人が定めた目標や方向性と現状を確認してすり合わせ、評価して給与に反映させている。

車の安全装置開発に注力

2017年ごろから車の安全装置の開発を始め、ブレーキを踏んだつもりでアクセルを踏んでしまうことに起因する交通事故に着目した。2019年にアクセルとブレーキの踏み間違いを減らす運転支援装置として、左足を置くフットレスト「アクセル・ブレーキ踏み間違い軽減フットレスト ペダル奉行」を開発した。藤森さんは「私たち人間は二足歩行という動作が自然にできる。運転中でも左足が正しい位置にあれば、立っている時のような右足の位置を保てる。そうすれば、たとえ後ろを振り返るなどして上半身の姿勢が崩れても、踏み間違いしにくい」と説明する。

車の暴走事故をなくしたい

フットレスト開発後は、踏み間違いに加え、車の暴走を止めることを目的とした装置の開発に着手。藤森さんは「2019年に、ブレーキとアクセルを踏み間違えた後も走り続けて暴走し、2人が亡くなり、たくさんの人が重軽傷を負った『池袋暴走事故』が起きた。仮にその車に『ペダル奉行』が装着されていたとしても暴走は止められなかったかもしれないという結論に至った」と話す。その結論を受けて埼玉大学と共同し、通常の2.8倍以上の力でアクセルを踏んだ場合のみ、アクセル装置に内蔵された磁石が外れてアクセルが遮断され、加速が抑制される「アクセルブレーカー」を開発した。

安全な車の普及に注力していく

「世の中のためになりたい」という思いに突き動かされ、社会に提案できる製品の開発や普及に全力を傾ける藤森さん。国内のみならず海外への普及も視野に入れている。「最新の車には追突防止機能が付いているものが多いが、古くて安価な車ばかりが走る国もある。アクセルブレーカーは比較的安価で後付けできるのでそのような国にも普及させやすい」と話す。車メーカーが取り付けるようになれば普及しやすいと考え、メーカーにアプローチするため、国内、国外の特許申請や、国の認定をもらうべく手続きを進めている。「世界から暴走事故をなくしたい。今後さらに安全部品事業に力を入れ、 日本が安全性の高い車を作り出す一助になれたら」と意気込む。

概要

株式会社 明和

〒343-0023 埼玉県越谷市東越谷7丁目12番地8号
TEL 048-966-3551

https://www.elford.co.jp/
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