パッキン材加工を主軸に、培った技術を応用してオリジナル商品開発 地域連携して防災対策も

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1971(昭和46)年に中島敷香さんが創業した中島プレス工業有限会社。電子部品のパッキン材加工や看板制作、オリジナル商品開発を手がける。
さまざまな素材の型抜きや裁断を行う
創業当初は断熱材などの建築材、フィルターなどの工業系素材の裁断を主とし、サイズが大きい物を取り扱うことが多かった。現在は携帯電話などの電子部品のパッキン材にはじまり、デジタルカメラやスピーカー、テレビやエアコンなどのパッキン材を主に製造。フェルト系、不織布系、フィルム系、シール系、ウレタン系、ゴム系の素材を、大型プレス機や連続裁断機、熱プレス機などを使って型抜きや裁断を行い、多工程に及ぶ部品製作もする。現在は2代目の小松崎いずみさんが社長を務める。

オリジナル商品の企画開発を始める
多くの素材加工を手がけているものの、時代とともに製造品が変わってきたこともあり、会社の生き残りをかけ独自の商品開発を始めた。小松崎さんは「従業員のためにもずっとこの場所で会社を続けたいと思っている。依頼を受けた商品を作るだけではなく、『当社がこれを作っている』と胸を張って見せられる商品も作りたかった」と話す。取り組んだのは、「需要がなくなることはない」と考えた葬儀に関連する商品。小松崎さんの祖父が、「放鳥の儀は費用が高いから自分の葬儀ではやらなくていい」と言ったことを耳にした小松崎さんが「それでも祖父のために白い鳩を飛ばしたい」と、開発に着手。鳩の形をした形状記憶のメッセージカード「おくり鳩®」を開発した。

祖父を思って開発した商品で渋沢栄一ビジネス大賞を受賞
2009(平成21)年に発売した「おくり鳩®」は、メッセージを書き、棺に入れることもできる。左右に開くと平らになり、手を離すと鳩の形に戻る商品で、不織布にプレス機で折り目をつけ、形状記憶加工を施している。この不織布の形状記憶加工技術を応用し、国内の和紙製造会社とコラボして、贈り物を和紙で包む作法が学べる立体教本「ORU-KOTO®」も開発。この加工技術で、第5回渋沢栄一ビジネス大賞 テクノロジー部門特別賞を受賞した。

プリント事業を立ち上げ、新サービスも提供
2014(平成26)年には、専務の小松崎晃さんが中心となって屋外看板広告やシールなどを製作するプリント事業を立ち上げた。晃さんは「本業のプレス事業に付加価値を付けようと、補助金を使い印刷機を購入した。その印刷機の稼働率を上げるため、プレス事業で培った技術を生かすこともできるプリント事業部を立ち上げた」と話す。2024年1月には、釣り上げた魚の写真をデジタル技術でアートにするサービス「デジタル魚拓」も始めた。

一人一人の働きやすさを追求
現在従業員は23人。創業当初は多くの従業員が近隣在住の女性だったこともあり、女性も働きやすい職場づくりをしてきた。小松崎さんは「私も子育てを経験しているので、働く女性を応援したいという思いがあったのと、同時に工場の生産性は下げないようにしなければならないとも思った」と話す。産休や育休に加え、短時間勤務や始業・終業時間の変更など、一人一人の希望に沿えるような制度を作り、急に休む人がいても、ほかの人が仕事を引き継げる仕組みを整えた。20代~70代の従業員が働き、埼玉県から「シニア活躍推進宣言企業」や、「多様な働き方実践企業 ゴールド」に認定されている。

デジタル化を推進し、コスト削減
15年ほど前から生産管理、受注管理などのデジタル化に注力。小松崎さんは「もし不良品が出てしまった場合でも、生産や流通の過程がわかるように記録できていれば、顧客に安心感を与えることができる。受注から納品まで一元管理して無駄をなくせば生産性が向上する上、コストも削減できる。今後も若い人たちの力でITをうまく使って生産性を上げていけたら」と話す。

地域連携して防災対策
2007(平成19)年、事務所が全焼する火災が発生。幸い工場は燃えず、3日後に再稼働できたものの、受注などに必要なFAXやトイレが使えなかった。小松崎さんは「周辺の会社やコンビニに助けてもらい、地域連携の大切さを痛感した」と話す。近年災害が増えていることから、従業員の安全のために避難訓練に加え、防災マニュアルを作成した。近隣の会社と助け合えるように連携もしている。晃さんは「今後も、従業員が働きやすく、長く働き続けられる会社づくりをしていきたい」と話す。
概要
中島プレス工業有限会社
〒343-0012 埼玉県越谷市増森2544
TEL: 048-964-9924
