ママたちが手作りする「やさしいぎょうざ」 働く女性の助けや、地域のつながりにも尽力

  • #ワークライフバランス
  • #優れた技術
  • #地産地消
  • #女性活躍

2015(平成27)年創業の株式会社永進。「ママが作った やさしいぎょうざ」をキャッチフレーズに、地産の野菜などを使った手作りギョーザを製造・販売する。(右から2人目が永倉紀子社長)

企業のメニュー開発なども手掛けた社長がUターン開業

20代の頃はバックパッカーとしてヨーロッパやアジアなど十数カ国を巡ったという、社長の永倉紀子さん。永倉さんは、母親が食事や菓子を手作りしていたことから、食事は手作りが当たり前の環境で育ち、その影響もあって料理することや食べることが好きになった。旅先で出合ったおいしいものを、現地の市場などで調達した材料で再現するなど、料理にのめり込み、帰国後は企業のメニュー開発やフードコーディネーターとして働いた。その後、生まれ育った越谷にUターンし、ギョーザ専門店を開いた。

「自分の子どもに食べさせられるもの」を販売

子育てしながら会社を運営している永倉さん。従業員7人も子育て世代の母親たち。永倉さんは「働いているお母さんたちの気持ちはよく分かる。シングルのママやパパは特に大変。忙しい時に料理をするのは大変だが、体のことを考えずに作られた食べ物を子どもに食べさせたくない。だから販売するのは自分の子どもに食べさせられるものだけ」と力を込める。ギョーザには極力化学調味料は使わず、なるべく化学肥料を使わないで育てられた地産野菜を使っている。

お母さんが笑っていたら、子どもも幸せになれる

ギョーザは焼いたりゆでたりと少しの手間だけで温かいメニューとして食卓に出すことができ、冷凍庫にストックしておけるというのも、販売理由の一つ。「忙しい時は、当社のギョーザをストックしておけば楽だし安心だと感じてもらいたい。お母さんたちが笑顔でいられる環境で生活や仕事ができれば、子どもも笑顔でいられて幸せになると思う」と永倉さん。

心を込めた大切な手作りギョーザ

常時5~7 種のギョーザを直営店や通販のほか、近隣のコンビニ、スーパーで販売。一回の仕込みで15キロのギョーザあんを作ることもある。ネギやタマネギを3キロほどみじん切りにして使うこともあるが、全て手切り。それは、機械で切ると水分が多く出てしまい、作りにくくなるいという理由もあるが、何より手で切ったほうがおいしくなるから。「大変だが、おいしさも妥協したくない。従業員が『たかがギョーザじゃなくて、心を込めた大切なギョーザを作って販売している』と力説してくれたことがある。みんな、同じ思いを持ってくれて、うれしくありがたく思っている」と話す。

会社も従業員もWin-Winの労働環境に

従業員の子どもの具合が悪いとか、学校行事に出席するため出勤できないなどの場合は、シフトを交換したり、その日の仕込みの量を減らしたりして、従業員が休めるように調整するなど、子育てしながら働ける環境づくりをしている。また、スポットで働きたいという人に仕事を依頼することや、隙間時間に自宅で仕事をしてもらうこともあるなど、会社も従業員もWin-Winになるようにしている。

地域内での経済循環や食育に力を入れる

少子化問題や災害が多いこれからの時代は、地産地消や地域内での経済循環がより大切だと考え、できることから取り組んでいる。「地域の農家さんが大切に作った作物を買い、商品に使い、地域の人たちに食べてもらうという循環を作りたい。災害などで流通が止まった時には、地域の食品やつながりも重要になってくる」と話す。さらに、子どもたちに食べ物に関する目を養って健康でいてほしいという思いから、教育機関で食育の授業を行うなど、食育にも力を入れている。

自分ができることで恩返し

仕事量が多い時でも助け合い、支え合いながら仕事をしていて、従業員はまるで家族のような存在。永倉さんは「大変なことや辛いこともあるが、職場で話をしていると自然と笑顔になる。私が会社を運営できているのは、私の力ではなく、支えてくれている従業員やお客さま、つながりがある皆さまのおかげ。そんな皆さまに恩返しすることはなかなかできないが、自分ができることで世の中に恩返ししていきたい」と笑顔を見せる。

概要

株式会社永進

〒343-0026 埼玉県越谷市北越谷5-8-5
TEL 048-940-0939

https://www.kitakoshi-gyouza.com/
関連する記事
タグ一覧
記事一覧を見る