ロボット化やデジタル化で働きやすい環境をつくり、人材育成に注力 地域密着も目指す

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1968(昭和43)年に創業したサンライズ工業株式会社。熱交換器をメインに製造し、「熱交換器を通じ、人と社会に快適環境を」を理念として掲げる。

エアコンなどに使われる熱交換器をメインに製造

主に業務用の熱交換器の設計、試作、検証、製造を行う。さらに、熱交換器を応用した機器の製造や、OEMなども手がける。熱交換器は、コンビ二などの食品ショーケースやすしネタのケース、ビルのフロア空調、大型冷凍倉庫のユニットクーラーなどに欠かせないもの。同社製造の熱交換器は、六本木ヒルズ、東京ソラマチなどのフロア空調にも使われている。中小企業ならではの機動力を生かし、少量・多品種・短納期に特化。顧客の要望にもフレキシブルに対応している。

商社マンから製造業へ

創業者は、もともと商社マンだった故・中山光男さん。中山光男さんは脱サラし、越谷市内の工場を間借りして熱交換器の製造を始めた。試行錯誤しながら開発を進めたが、業績は順調に伸び、草加市、茨城県水海道市に工場を建設。次々と業務を拡大したが2001年に急逝したため、当時従業員だった親戚の中山晃宏さんが社長に就任し、以降、従業員を守る会社を目指し、経営の安定や労働環境を整えることに注力してきた。

ワークライフバランスを目指し、育児休暇を取得した従業員も

現在従業員は150人。育児休暇を取得した男性従業員が4人いるなど、ワークライフバランスを目指している。総務部課長の平方功二さんは「残業をやればやるほどいいというような考え方が受け入れられていた時代もあったが、労働環境を整えることは、従業員のために加え、会社の未来にもつながる。ものづくりをしている町工場なので、当初は『ワークライフバランス』という感覚があまりなかった。今は毎月、残業に対する考え方や有給取得などについて、現状の報告や改善の提案をするなど、意識改革を進めている」と話す。

コロナ禍をきっかけに、新たな働き方を取り入れる

コロナ禍のテレワークなどをきっかけに、ウェブ会議や残業時間の削減など、これまでとは違う働き方を柔軟に取り入れた。さらに作業の効率化や平準化も進めている。現在50代の従業員が中心となり会社を動かしているが、世代交代も意識している。平方さんは「製品が特殊だから、しっかり継承していかなければならない。国や県、市の補助金を使いながら、資格取得を積極的に推進するなど人材育成にも力を入れている」と話す。

多様な働き方の実践が、埼玉県から評価

女性の活躍を応援していて、女性の管理職もいる。定年は60歳だが、採用の幅を広げていることもあり、70代の従業員もいるなどシニア層の継続雇用や新規雇用することも。幅広い世代が働き、新たな働き方の導入やワークライフバランスを意識した環境づくりに取り組んでいることなどが評価され、2022年12月、埼玉県から「多様な働き方実践企業」のプラチナ認定を受けた。

協働ロボット導入やデジタル化で、業務効率化や労働時間も短縮

業務効率化のため、協働ロボットの導入やデジタル化に力を入れている。2020年に、カメラ付きの協働ロボットを導入してアルミニウム部品の積層作業を無人化。2022年 には銅管の穴あけ作業も無人化した。平方さんは「ロボットに単純作業を任せることで、人の労働時間確保につながる。また、これまで紙で管理していた工程管理を、ソフトを導入してタブレット端末を使い管理している。リアルタイムで進捗が共有できるため効率がいい」と話す。

地域にも認めてもらえる企業に

越谷に根を張り50年以上。地域に密着していきたいという思いから、2005年頃から、会社周辺のゴミ拾い「クリーンアップ活動」を週に2回実施している。平方さんは「些細なことではあるが、企業として今後もっと地域と関わり、地域に認めてもらえる企業に成長していきたい。業界の中では一定の評価をいただいているが、今の状態を若手につなぎ、『熱交換器といえばサンライズ工業さんだよね』と言ってもらえるようになれたら」と力を込める。

概要

サンライズ工業株式会社

〒343-0827 埼玉県越谷市川柳町2-546
TEL 048-988-1511

https://sunrise.gr.jp/
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