働く価値観を共有し、共感できる会社に 自社ブランド米でやりがいづくりも

- #アットホーム
- #やりがい重視
- #働きやすさ
- #多様な働き方
- #家庭と両立
- #未来につながる企業
- #業務効率化
- #次世代育成
1975(昭和50)年に創業した、埼玉県内東部エリアを中心に物流サービスを提供する丸越運輸倉庫株式会社。上野広美さんが社長を務める。
畑違いの業種から飛び込み、両親の事業を受け継ぐ
上野さんの父、故・上野照廣さんが創業。社名は、照廣さんが「丸っと越谷をつつんでいきたい」という思いで付けた。照廣さんが病気で急逝したことから、母の早苗さんが後を引き継いだ。経理の経験はあった早苗さんだが、多くの従業員を抱え、経営は一筋縄ではいかなかった。大変さをそばで見ていた上野さんは、会社を継ぐことを決意。現在とは全く畑違いの業種から飛び込み、母を支えながら、総務からドライバーまで一通り経験し入社から9年後に社長に就任した。

食品の原材料などをはじめとした運送や保管を行う
越谷に本社を構え、春日部や杉戸町に倉庫や拠店を持つ。事業を大きく分けると、運送部門と倉庫管理部門の2つ。運送部門は、食料加工品の原材料や、プラスチックをはじめとするさまざまな加工品の原材料を手作業やフォークリフトを使って収集し運搬する。倉庫管理部門は、自社倉庫での保管や入出庫、また他社所有の倉庫に従業員が駐在し、保管から運送までの一連の作業を請け負う。

「働く目的」に着目し、共感できる会社づくり
創業50周年を迎えるに当たり、未来を見据えて経営理念を刷新した。経営理念には「私たちは物を通して企業発展し続け、安心安全で豊かなまちづくりに貢献します」「私たちは『創業への感謝』精神を胸に、常に前向きにチャレンジし、基本ルールを守って良識ある社員であり続けます」などがある。上野さんは「働く目的が多様化している中で、同じ価値観を持つ仲間と働く喜びを分かち合いながら仕事をすることが、生きがいや人生の充実、また地域貢献にもつながるので、お互いに共感できる会社づくりが必要。『なぜ働くのか』というところから着目することで若い世代もついて来てくれる」と話す。

毎年社員満足度を調査し、人材育成や社内環境の改善に取り組む
従業員は94人。2014年から高校生の新卒採用をはじめたことで、18歳から84歳までと幅広い世代の従業員が働いている。そのため、風通しの良さを意識しているという。上野さんは「仕事には人生の多くの時間を費やす。例えば、新卒採用した従業員が60代になったとき、人生観が豊かになっていたり、次世代につなげたりしていけるような人材を育成していく必要があると思う」という。毎年、顧客満足度に加え、社員満足度も調査。社員満足度の調査では、経営理念の理解などの人材育成や、社内環境の改善にも役立てている。

パートタイム管理職制度を創設
育児しながらの就業は、時間の制限もあることから、能力があっても管理職に就くことが難しい。定時勤務できないことに後ろめたさを感じて管理職を辞退する従業員もいる現状を目の当たりにした上野さんは、育児や介護で定時勤務が難しい人でも、時給制で勤務できる「パートタイム管理制度」を2024年4月に創設した。また、働き方改革を実施する中で、社内システムをDX化。内勤者の残業はほぼゼロになった。

地域に安心してもらえる企業づくり
「業種的に、プラスイメージのみを持ってもらえるわけではない」と話す上野さん。周囲が持つマイナスイメージを払拭するために、事故を減らす取り組みや、環境に配慮することに心を砕く。また地域貢献の一環として「非常事態が発生した際に自社の拠点を倉庫として活用してもらう」「生活用水(井戸水)を提供する」「新聞をリサイクル場所へ持ち込む(スーパー等)」「廃オイルのリサイクル費を寄付する」などを掲げている。

自社米で従業員のやりがいにつなげる取り組み
運送業は、従業員がお客さまの要望に応え、一生懸命働いても功績が形として残らない。上野さんは「何か形にして従業員のやりがいにつなげたい」と考えていたことから、自社ブランド米である「kawaiine(カワイイネ)」を企業の販売促進用ノベルティとして、取引先に提供する取り組みを始めた。「従業員は、お客さまに自社米を渡し、喜んでもらえることを肌で感じ、嬉しそうに業務先から帰ってくる」と話す。この取り組みで、令和元年度「彩の国 経営革新モデル企業」に指定された。上野さんは「今後も、より働きやすさを追求し、社員へ働く楽しさを伝えていきたい」と笑顔を見せる。

概要
丸越運輸倉庫株式会社
【本社】
〒343-0032 埼玉県越谷市大字袋山1727番地
TEL:048-736-7065
【春日部倉庫】
〒344-0026 埼玉県春日部市武里中野478番地
TEL:048-736-7065
