味作りを支える食品加工機械のトップブランド 従業員の満足度高める福利厚生も充実

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食品用加熱撹拌(かくはん)機の開発・設計・製造を行う梶原工業株式会社。「より多くの人々に よりおいしい幸せを」を基本理念とする。

浅草・かっぱ橋で創業

1939(昭和14)年、現社長の祖父の梶原保男さんが「梶原工業所」として台東区で創業。かまぼこ製造機の修理から始まり、菓子店向けの機械や道具の製造販売も始めたものの、順風満帆ではなかった。現会長の梶原徳二さんは、苦境に立つ家業の現状を目の当たりにし、打開策を模索。菓子職人があんを焦げ付かさずに練り上げることに苦労している話を聞き、あんを焦がさずに練る機械の開発に着手した。

焦げないあん練り機を開発し、250件以上の特許出願

1960(昭和35)年、焦げないあん練り機「煮炊撹拌機」を開発。徐々に注目を集め、1964(昭和39)年には御法川発明賞と通産大臣賞も受賞するなど高く評価された。これが機械メーカーとしての出発点となり、以後、さまざまな機械を開発。現在は50件以上の特許を保有している。1969(昭和44)年、台東区の工場では手狭になったことから、越谷市神明町に工場を建設。1989(平成元)年には増森工業団地に移転し、東京工場と名付けた。

幅広い食品が梶原工業の機械から生まれている

機械の用途はあん製造がメインだったが、高度成長期にはカレーなどの一般調理食品まで広がった。現在は、レトルト食品、冷凍食品、総菜、ジャム、ソース、たれなど多数の食品調理ができる機械を開発・製造している。社長の梶原靖友さんは「簡単に言うと、加熱して焦げ付かないようにかき混ぜながら調理ができる機械。ご家庭にある鍋やフライパンが大きくなったようなものと考えてもらえたら」と話す。

日本人が求める繊細な味を作り出す機械を製造

単なる食品の量産化ではなく、どのように調理すれば「より多くの人に よりおいしい幸せを」届けられるのか日々追求している。梶原さんは「日本の調理工程のなかで、加熱は核になる工程。加熱することで味は変わる。当社の機械は、均一な味づくりや味の調整もできる、食品の味を生み出せるもの」と説明する。取引先は老舗の和菓子店から大手食品メーカーまで幅広い。国内で流通しているほとんどの加工食品に同社の製品が使われていると言っても過言ではない。

単身者向け住宅や支援制度など、充実した福利厚生

東京工場の従業員は163人。女性・男性の育休取得もでき、産後も復帰しやすい環境づくりをしている。2016(平成28)年には小学3年生から高校3年生の扶養家族を対象とした支援制度を開始。市内に単身者向け住宅も整備し、2023年4月には奨学金返済支援制度を創設した。梶原さんは「当社のものづくりは、自動的に組み上っていくわけではなく、人が組み付けていくもの。品質保持は人の力。誇りをもって仕事をしてもらいたいし、仕事にも会社にも満足してもらいたい」と話す。

東南アジアにも進出し、30カ国以上で活躍

製品は国内のみならず、東南アジアを中心に30カ国以上で販売している。2013(平成25)年には、シンガポール現地法人を設立。近年、中食向けの加工食品、離乳食・嚥下食、健康食品などのニーズが増えている国内と、東南アジアに加え、新興国などからのニーズにも応えていく。

地域とのつながりも深めていく

消費者や地域との接点が多くはない業種だが、今後はより地域とのつながりを深めていく。2023年11月には、男子バスケットボールB2リーグ所属の越谷アルファーズとオフィシャルパートナー契約を締結した。梶原さんは「地域貢献しながら、当社を認知してもらえるような活動をしていきたい。今後さらに地元とつながっていけたら」と話す。

概要

梶原工業株式会社

〒343-0012 埼玉県越谷市増森1544-1(増森工業団地内)
TEL 048-962-8881

https://kajiwara.co.jp/
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