従業員の挑戦を後押し 先代が作り上げた「成長できて楽しく働ける職場」を次世代へ
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1963(昭和38)年に創業。水処理装置の製造や組み立て、配管、設置を手掛ける共同工業株式会社。
倒産した会社の同僚と一念発起して創業
現社長のニ宮幸彦さんの父、故・二宮信行さんは東京にある樹脂加工品の製造会社で勤務していたが、会社が倒産。信行さんを含め同僚5人で共同工業を創業した。社長のニ宮幸彦さんは「創業時は大変だったと思う。当初は樹脂の加工から、製品の取り付けまでしていたと聞いている。さまざまな仕事を求められて取り組んでいくうちに、新たな仕事に活路を見いだし、現在の事業になった」と話す。1974(昭和49)年に越谷市西方に移転。1998(平成10)年に現在の所在地、増森工業団地に移転した。
創業時の同社(東京都板橋区の自宅兼事務所)
工業用水の処理装置の製造や施工管理を手掛ける
現在は、工業用途の水処理に関わる装置の製造や組み立て、生産工場での据え付けや配管工事、施工管理などをメインに行う。手掛ける設備を大きく分けると、食品、半導体、医薬などを製造する施設の上水、ろ過水、純水、超純水製造の設備や、製造工場などから排水される、酸やアルカリ、汚泥を含む排水を浄化する設備、環境系処理用の設備などがある。
先代が作り上げた会社の理念を守る
「技術を通じて世の中の役に立つ 地域・社会に貢献する 従業員の幸せ」を理念とする。二宮さんは「これまで明文化されていなかったが、父を含む当社の第一世代がやってきたことを言葉にしたらこうなった。仕事をやる以上は、利益の追求も大切だが、従業員に還元することも大切。また仕事を受ける時は、顧客の気持ちを大切にしながらも、数字上のことよりも従業員のやりがいがある方を選ぶ。そのほうが従業員も楽しいのではないか」と話す。
女性も技術職に。「チャレンジさせてくれる」会社
現在従業員は45人で、技術職で働く女性もいる。近年、産休・育休などの制度も整えた。二宮さんは「当社は真面目で誠実な従業員に恵まれている。勤続35年の従業員もいるが、新しく入社した人には、長く働いている従業員が丁寧に技術を教えていることも、長く働ける要因の一つだと思う」という。技術部技術3課 統括主任の藤井詠子さんは「チャレンジさせてくれる会社。これまでいろいろな部署を経験させてもらった」と話す。
費用の全額補助で、資格取得を後押し
必要な資格の取得も後押ししている。普通自動車第一種免許を始め、フォークリフト運転技能講習、高所作業車運転技能講習など、資格取得費用は全て補助。資格取得にかかる交通費も全額支給するという。二宮さんは「資格にまつわる作業をする、しないに関わらず、安全を保つためにも知識は必要。20~30種類の資格を保有している従業員もいる」という。
53万時間もの無災害を達成
2015(平成27)年3月から休業災害ゼロを続け、2023年6月に無災害記録53万時間を達成。厚生労働省が定める「第三種無災害記録証」の銅賞を受賞した。二宮さんは「無災害は、従業員が頑張ってくれているおかげ」と話す。「誰でも失敗することはあるが、次に生かせたらいい。何かあった時、相手の気持ちをないがしろにせず、誠実に接することを心掛けているが、それは社内に浸透していると思う」とも。
次世代の育成に力を入れる
今後は、次世代を担う人材の育成に力を入れる。現在、15年以上勤務している従業員は、知見を広め、いろいろな角度から物が見られるように、管理部門も学んでいる。二宮さんは「第一世代の人たちは、会社の方向性などについて、指示するのではなくこちらの判断に委ねてくれていた。次世代の人たちも、自分たちで考えてもらえたら。働く人が成長でき、楽しく仕事ができる職場をつないでいきたい」と笑顔を見せる。
概要
共同工業株式会社
【本社及び第一工場・第二工場】
〒343-0012 埼玉県越谷市増森2830-16(越谷市工業団地内)
TEL 048-964-3561
【西方工場】
〒343-0822 埼玉県越谷市西方2946-1